手湿疹について
毎日水仕事をする主婦の方や調理師、美容師・理容師などによくみられる手荒れを「手湿疹(主婦湿疹)」と言います。乾燥する時期は誰でも手が荒れやすく、暖かい時期が来ればよくなると思われがちですが、なかなか手湿疹が治らず、一年中悩まされる人も少なくないようです。
手湿疹の原因
通常、人の皮膚には毛包(もうほう)と汗腺(かんせん)があり、毛包には皮脂腺が付属していて、皮脂が分泌されます。皮脂は、皮膚表面を刺激や乾燥から守る脂です。皮脂と表皮細胞にある脂質、汗腺から分泌される汗が混ざり合い、天然の保湿クリームのような役割を果たしてくれます。
しかし、水仕事や、その他にも紙を頻繁に扱う仕事をしていると、皮脂や角質が落ちてしまいます。それよって、皮膚のバリア機能が弱まり、物をつかむなどの物理的な刺激に皮膚が過剰に反応するようになり、また刺激物が侵入しやすくなります。こうして起こるのが手湿疹です。手湿疹は、特にアレルギー体質の方に生じやすく、手湿疹の原因となる仕事を中止出来ない方は治りづらいものです。
手湿疹の治療法
手湿疹の治療の柱は、薬物療法と生活改善です。
薬物療法
薬物療法で用いる主な薬は、副腎皮質(ステロイド)外用剤と保湿剤です。
炎症が強い場合は、副腎皮質外用剤に重ねて保湿剤を使用することで手を保護し、刺激から皮膚を守ります。炎症は適切な薬を使用すれば1~2週間で改善されますが、生活習慣を変えなければ、再発を繰り返すことになります。
生活改善
薬物療法とともに、手の保湿・保護をするために、以下のような生活改善も行いましょう。
- 水仕事はゴム手袋をして行い、さらにゴムの刺激から皮膚を守るために、その下に木綿の手袋をする
- 水仕事で使うお湯の温度をぬるめ(体温よりやや低い温度)にする
- 洗濯物を干したり、布団の上げ下げしたり、掃除機をかけるときなど、水仕事以外の家事でも、木綿の手袋をする
- シャンプー、ボディソープ、石けん、ハンドソープなどは低刺激性のものを選ぶ
- 水仕事の後や、手を洗った後、入浴後などは、時間をおかずに、早めにハンドクリームを塗る
- 肌寒い日や乾燥している日は手袋をして外出する
- 夜寝るときに外用薬を手に塗り、さらに木綿の手袋をすると効果的です。
薬物療法と生活改善によって手湿疹が治っても、根本原因である刺激や乾燥を減らさなければ再発してしまいます。手の皮膚を保護する生活を習慣づけ、炎症が起こり始めたら早めに治療しましょう。
症例 (手湿疹)
20代女性 | |||
初診 | 13日後 |
20代女性 | |||
初診 | 13日後 |
50代女性 | |||
初診 | 7日後 | 13日後 |
30代女性 | |||
初診 | 1ヶ月後 |
30代女性 | |||
初診 | 13日後 |
医院概要
- 〒152-0023 東京都目黒区八雲1-4-3 駒原ビル4F
- 03-5731-4112
- 東京急行電鉄東横線「都立大学」駅徒歩2分
- 一般皮膚科、小児皮膚科、アレルギー科
- 水曜・日曜・祝日 ※土曜は13:00まで
診療時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
09:00 ~ 12:00 | - | - | |||||
14:00 ~19:00 | - | - | - |
▲ 土曜の診療時間は、13:00までとなります。
平日は夜19時まで受付をしております。